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私は故宮の「門番」
著 者 単 霽翔 ゼン セイショウ
訳 者 福井 ゆり子
ISBN 978-4-902769-92-0 C0030 A5判 全264頁 ソフトカバー
定価:3300円(本体3000円+税10%)
発行所/株式会社 尚斯国際出版社
発売元/株式会社 日本出版制作センター
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故宮博物院には多くの「世界で最たるもの」があって、例えば世界で最も規模が大きい、世界で最も完全な宮殿群、世界で最も豊富に中国の文物を収蔵しているところ、最も貴重な宝庫、毎年世界で最も多くの観光客がやって来る博物館などだ。したがって、故宮の文化遺産資源をどうやって「活かす」かは、故宮博物院が考え、研究し、実践しなければならない重要な課題になった。文化遺産資源を倉庫の中に閉じ込め、今の社会からほど遠い「過去の遺物」とみなし、ひたすら守ったり鑑賞したりするのではなく、文化財を再び人々の生活の中に戻さなくてはならない。これらの文化財が現実生活の中で意味をもつと感じられ、再び独特な魅力を放つものとすることではじめて、文化遺産が人々の心のこもった保護を得ることができる。そういう意味で、故宮博物院ここ数年来の実践はまさに、優れた博物館とは何かということを証明したものなのだ。
目次
はじめに 私は故宮の「門番」
一
壮大で美しい紫禁城を完全なまま次の六百年に引き渡すために
歴代の「故宮人」たちの努力
「平安」から「ライトアップ」まで――故宮の次の六百年のために
二
どれくらいの貴重な文化財があるか
故宮にはどれだけの「財産」があるのか
二十三の収蔵品分類
収蔵品の収集
故宮の貴重な収蔵品の例
「現象」にもなった故宮の展覧
三
故宮博物院は教育機関であり、研究機関でもある
麗しき風景――故宮のボランティアたち
子どもに故宮を知ってもらう
「故宮学」から「故宮研究院」まで
四
若者を感動させた職人魂
故宮の「考工記」
特別・特例の「百年に一度の大修理」
私は故宮で文化財修復をしています
五
管理改革――斬新な参観体験を
より良い参観サービスのために
「閉」と「開」――閉館日の設定と開放空間の増加
「分散」と「制限」――ピークシーズンは混まず、オフシーズンは閑散としない
ビッグデータによる「トイレ革命」
外国VIPの車も進入禁止
六
「十億クラス」の入場者がある博物館
SNSでいつも話題に
出すたびに人気を博すアプリ
ホームページのリニューアルとデジタル展示室
デジタル応用の多元化
七
故宮を飛び出る――文化を伝える使者
一般家庭に入り込む
中国を巡回する
国連安保理の常任理事国には欠くことのできない強大な博物館
トランプ大統領の故宮参観
八
コーヒーを飲み、オリジナル製品を買う――もっと面白い故宮へ
素晴らしい故宮の文化・クリエイティブ製品
故宮の「ブランド」化
あとがき 文化の力